西新宿駅近くの歯医者、痛みの少ない歯科治療/東京医科大学病院医療連携医
「食べ方が変?」は口腔機能発達不全症のサインかも。予防と対策を解説
お子さんの食事中、「なんだか食べるのが遅い」「やたらと食べこぼしが多い」「クチャクチャと音を立てて食べる」といった様子を見て、少し不安に感じたことはありませんか?あるいは、滑舌が悪かったり、いつも口をポカンと開けていたりする姿に「うちの子、もしかしてどこかおかしいのかな?」と心配されているお母さん、お父さんもいらっしゃるかもしれません。
こうした子どものちょっとした「気になるサイン」は、単なる癖や個性で片付けられない場合があることをご存じでしょうか。実は、それは「口腔機能発達不全症」という、お口の機能が正常に発達していない状態を示すサインかもしれません。この病気は、食べる、話す、呼吸するといった日常の基本的な動作に影響を及ぼし、将来の歯並びや全身の健康にも関わるといわれています。
この記事では、お子さんの健やかな成長を願うお母さん、お父さんのために、口腔機能発達不全症とは何かを分かりやすく解説します。ご家庭でできる簡単なセルフチェック方法から、具体的な予防策、そして専門家への相談タイミングまで、お子さんのお口の健康を守るための具体的なヒントを網羅的にご紹介します。お子さんの「気になる」を「安心」に変え、笑顔いっぱいの毎日を送るための一歩を、私たちと一緒に踏み出しましょう。
お子さんとの食事の時間は、親にとってかけがえのない喜びである一方で、ちょっとした悩みの種になることも少なくありません。「うちの子、どうしてこんなに食べるのが遅いんだろう?」「また食べこぼしてる」「クチャクチャと音を立てるのが気になるけれど、注意してもなかなか直らない」といった経験は、多くのお母さん、お父さんが一度は感じたことがあるのではないでしょうか。
これらの「ちょっと気になるな」という食事中の仕草や習慣は、単なる好き嫌いやしつけの問題として見過ごされがちです。しかし、実はその一つ一つが、お子さんのお口の機能が十分に発達していない「口腔機能発達不全症」のサインである可能性があるのです。例えば、一口が極端に多かったり少なかったり、丸飲みしたりすることも、お口の中で食べ物をうまくまとめたり、噛み砕いたりする機能が未熟なために起こることがあります。
また、食事中だけでなく、「活舌が悪くて何を言っているのか聞き取りにくい」「お口をポカンと開けていることが多い」「いびきをかく」といった日常のサインも、この口腔機能発達不全症と関連している場合があります。こうした見過ごしがちなサインに気づくことが、お子さんの将来の健康を守るための第一歩となります。
お子さまの食べ方や話し方、呼吸の様子で「もしかして?」と感じたとき、その違和感の正体が「口腔機能発達不全症」という症状かもしれません。口腔機能発達不全症とは、お子さまの「食べる」「話す」「呼吸する」といったお口の機能が、年齢に相応しく発達していない状態を指します。これは単なる成長の個人差や癖ではなく、専門的なサポートが必要となる医学的な状態として認識されています。
この症状は、お口の周りの筋肉や舌の使い方が未熟であること、あるいは顎の発達に不調和があることなど、さまざまな要因が複雑に絡み合って起こることがほとんどです。例えば、食事が上手くできない、特定の音が発音しにくい、無意識のうちに口が開いているといった状態が挙げられます。これらは、お子さまの成長に大きな影響を及ぼす可能性があるため、早期に気づき、適切な知識を持って向き合うことがとても大切です。
「うちの子は病気なの?」と不安に感じるかもしれません。しかし、口腔機能発達不全症は、正しく理解し、適切な時期に専門家のアドバイスを受け、ご家庭でできるトレーニングを継続することで、改善が期待できるものです。お子さまの健やかな成長をサポートするために、まずはこの症状について詳しく知り、漠然とした不安を解消することから始めましょう。
2018年から保険適用になった「病気」です
「口腔機能発達不全症」という言葉を初めて耳にする方もいらっしゃるかもしれません。この症状は、2018年から健康保険の適用対象となった医学的な診断名です。これは、お子さまのお口の機能発達の問題が、単なる「気になる癖」や「しつけの問題」として片付けられるべきものではなく、専門的な診断と治療が必要な「病気」として国に認められたことを意味します。
健康保険が適用されるようになった背景には、近年、この症状を持つお子さまが増加傾向にあることや、放置すると将来の健康に多大な影響を及ぼすことが明らかになった社会的な背景があります。つまり、お子さまのお口の発達に関する問題が、現代社会において見過ごせない重要な課題として認識されるようになったのです。この保険適用は、保護者の方々が安心して歯科医院を受診し、適切な診断と治療を受けやすくなるための大きな一歩と言えます。
そのため、もしお子さまの食べ方や話し方、お口の様子で気になる点があれば、一人で抱え込まずに、小児歯科や口腔機能発達不全症の診療に力を入れている歯科医院に相談することをためらわないでください。保険適用で専門家のサポートを受けられるようになった今、早期発見・早期治療の重要性はますます高まっています。
なぜ今、口腔機能発達不全症の子どもが増えているのか?
近年、口腔機能発達不全症と診断されるお子さまが増えている背景には、現代社会特有のいくつかの要因が複雑に絡み合っていると考えられています。決して保護者の方の育て方が悪いわけではありません。多くの場合、現代の生活様式そのものが、お子さまのお口の機能発達に影響を与えているのです。
主な要因の一つは、食生活の変化です。昔に比べて、柔らかい食べ物が多くなり、離乳食の時期から「噛む」必要性の少ない食事が主流になっています。例えば、パン、うどん、加工食品などは、あまり噛まずに飲み込めてしまうため、顎の成長を促す刺激が不足しがちです。また、昔ながらの遊びが減り、外で体を動かす機会が少なくなったことも影響しています。全身の筋肉の発達は、お口の周りの筋肉の発達とも深く関係しており、運動不足は全体的な筋力低下につながることがあります。
さらに、アレルギー性鼻炎などによる慢性的な鼻詰まりで口呼吸になるお子さまが増えていることも大きな要因です。口呼吸が習慣化すると、舌が正しい位置になく、口の周りの筋肉も十分に発達しません。これにより、顎の成長が阻害されたり、歯並びが悪くなったりするだけでなく、さまざまな健康問題を引き起こす可能性も高まります。これらの社会的な変化を理解することで、お子さまのお口の問題に対して、より適切で具体的な対策を立てることができます。
お子様の食べ方や話し方、お口周りの癖に「もしかして?」と感じたとき、まずはご家庭で簡単にチェックできる項目を試してみましょう。このチェックリストは、専門機関に相談すべきかどうかの目安を知る上で役立ちます。気になるサインがあれば、次の「食事編」「発音・会話編」「お口周りの癖・呼吸編」の3つのカテゴリに分けて、具体的なチェック項目を確認してみてください。
このセルフチェックを通して、お子様の口腔機能発達に関する現在の状態を把握し、早期発見・早期対応へとつなげていきましょう。
【食事編】こんなサインはありませんか?
お子様が食事をしているときに、以下のような様子が見られることはありませんか。これらのサインは、口腔機能発達不全症の可能性を示している場合があります。
【発音・会話編】気になる話し方の癖
お子様の発音や話し方に、以下のような特徴は見られませんか。これらは、お口の周りの筋肉や舌の動きが十分に発達していないことで起こる場合があります。
これらのサインは、単なる話し方の癖ではなく、お口の筋肉の動きや舌の使い方が不適切であるために生じている可能性があります。特に舌の機能は、発音だけでなく、食べ物を噛んだり飲み込んだりする際にも重要な役割を担っています。
【お口周りの癖・呼吸編】見逃しがちな日常のサイン
食事や会話の時だけでなく、お子様の普段の様子や寝ている間に、以下のようなサインは見られませんか。これらは見過ごされがちですが、顎の成長や歯並び、さらには全身の健康にも影響を及ぼすことがあります。
これらの日常のサインは、単なる癖として見過ごされがちですが、顎の正しい成長を妨げ、将来的な歯並びの問題や発音の困難、さらには全身の健康問題につながる重要な手がかりとなることがあります。
これらの日常のサインは、単なる癖として見過ごされがちですが、顎の正しい成長を妨げ、将来的な歯並びの問題や発音の困難、さらには全身の健康問題につながる重要な手がかりとなることがあります。
お子さんの「食べ方が少し変だな」「発音が気になる」といった口腔機能に関するサインは、成長とともに自然に治るだろうと考えてしまいがちです。しかし、実はこれらのサインの裏には「口腔機能発達不全症」という病気が隠れていることがあり、放置してしまうと将来にわたってさまざまな影響を及ぼす可能性があります。早期に適切な介入をすることで、これらのリスクを大きく減らせることが分かっています。このセクションでは、口腔機能発達不全症を放置した場合、お子さんの歯並びや顎の成長、全身の健康、さらには学習や運動能力にまでどのような影響が考えられるのかを詳しく解説します。お子さんの健やかな成長のために、親として「早く手を打たなければ」という行動意欲を高めるきっかけになれば幸いです。
歯並び・顎の成長への影響
口腔機能発達不全症が歯並びや顎の成長に与える影響は非常に大きいと考えられています。たとえば、口をポカンと開けて口呼吸をする癖があるお子さんは、舌が正しい位置(上顎に密着している状態)にないことがほとんどです。舌が常に下にあると、上顎が十分に広がらず、V字型の狭い顎になったり、歯が並びきらずガタガタになったりするリスクが高まります。また、舌で前歯を押し出す癖があると「出っ歯」になりやすく、逆に下唇を巻き込む癖があると「受け口」の原因となることもあります。
これらの癖は、単に歯並びを悪くするだけでなく、顎の骨格そのものに影響を与え、顔の成長バランスにも関わってきます。乳歯の段階では目立たなくても、永久歯への生え変わりや成長期を通じて問題が顕在化し、将来的に矯正治療が必要になる可能性が高まります。矯正治療は期間も費用も負担が大きいものですから、早い段階で口腔機能の問題に気づき、適切な対策を講じることが、お子さんの将来的な負担を軽減するために非常に重要です。
全身の健康への影響(呼吸・姿勢など)
口腔機能の問題は、お口の中だけにとどまらず、お子さんの全身の健康にも深く関わってきます。特に口呼吸は、その代表的な例です。本来、呼吸は鼻で行うことで、鼻毛や鼻腔内の粘膜がフィルターの役割を果たし、ウイルスや細菌、花粉などの異物を除去し、吸い込む空気を加湿・加温してくれます。
しかし、口呼吸をしていると、これらのフィルター機能が働かず、乾燥した冷たい空気が直接喉や気管に届くため、風邪をひきやすくなったり、扁桃腺が腫れやすくなったりします。また、アレルギー性鼻炎が悪化したり、虫歯や歯周病のリスクが高まったりすることもあります。さらに、口呼吸が原因で睡眠の質が低下し、日中の集中力が散漫になったり、成長ホルモンの分泌が阻害されたりする可能性も指摘されています。いびきや睡眠時無呼吸症候群といった深刻な睡眠障害につながるケースもあり、お子さんの成長に大きな影響を与えかねません。
舌の位置が低く、口が常に開いている状態は、顔の筋肉や首周りの筋肉のバランスも崩し、猫背などの姿勢の悪さにもつながることがあります。このように、口腔機能の発達不全は、お子さんの健康全体に広範囲な影響を及ぼすため、早期に改善することが大切です。
学習や運動能力への影響
意外に思われるかもしれませんが、口腔機能の発達不全は、お子さんの学習能力や運動能力にまで影響を及ぼすことがあります。口呼吸をしているお子さんは、慢性的な酸素不足になりやすく、日中も眠気を感じやすかったり、集中力が続かなかったりすることがあります。これは、脳への酸素供給が不十分なために、学習効率が低下したり、授業に集中できなかったりする原因となり得ます。
また、正しい姿勢の維持には、お口周りの筋肉や舌の位置が大きく関わっています。口腔機能が整っていないと、姿勢が悪くなりがちで、これが体の軸の不安定さにつながり、運動能力の低下を招くこともあります。スポーツをする際にも、口呼吸では効率的な呼吸ができず、十分なパフォーマンスを発揮できない可能性があります。例えば、サッカーやバスケットボールのような全身運動では、正しい呼吸法が持久力や瞬発力に直結するため、口呼吸がハンディキャップとなることも考えられます。
お子さんが持つ本来のポテンシャルを最大限に引き出すためには、お口の機能が健全に発達していることが非常に重要です。単なる「癖」として見過ごさず、お子さんの可能性を広げるためにも、口腔機能の発達を意識したサポートを検討してみてはいかがでしょうか。
お子様の「食べ方」や「話し方」の気になるサインに気づいたとき、ご家庭で何かできることはないかと感じているお父さん、お母さんは多いのではないでしょうか。専門家によるサポートはもちろん重要ですが、日々の生活の中で親子一緒に取り組める予防策やトレーニングもたくさんあります。
このセクションでは、口腔機能発達不全症の改善や予防に役立つ、ご家庭で実践できる具体的な方法をご紹介します。食事の工夫、お口のトレーニング、そして日々の生活習慣の見直しという3つのアプローチを通じて、お子様が楽しく、そして継続して取り組めるヒントをお伝えします。
これらの対策は、特別な道具や場所を必要とせず、日常生活の中に無理なく取り入れることができます。お子様の健やかな成長をサポートするために、今日からできることを一緒に始めてみましょう。
食事の工夫で「噛む力」と「飲み込む力」を育てる
毎日の食卓は、お子様の「噛む力」と「飲み込む力」を育む大切なトレーニングの場です。単に「よく噛んでね」と声をかけるだけでなく、少しの工夫で口腔機能を効果的に鍛えることができます。
まず、食材選びでは、少し歯ごたえのあるものを意識的にメニューに取り入れてみましょう。例えば、やわらかいパンばかりではなく、時にはフランスパンのように外側が硬いパンを選ぶ、お肉はミンチだけでなくブロック肉を大きく切って提供する、根菜類は大きめに切って煮込むなどです。これにより、前歯で噛み切る練習や、奥歯でしっかりと咀嚼する習慣を促せます。
調理法も重要です。すべてを細かく刻んだり、やわらかく煮すぎたりするのではなく、食材本来の形や食感を残すように意識してみてください。また、食事中の姿勢も非常に大切です。足の裏が床にしっかりとつく椅子に座り、体が安定した状態で食事をすることで、正しい姿勢で噛み、飲み込むことができます。スプーンやフォークは、口の大きさに合ったものを選び、一度に口に入れる量を調整するように声かけをしましょう。
親子で楽しく!お口の筋肉を鍛える簡単トレーニング(MFT)
口腔機能発達不全症の改善には、お口の周りの筋肉を鍛えるMFT(口腔筋機能療法)が非常に有効です。難しく考える必要はありません。ご家庭でも、遊びの感覚で楽しく取り組める簡単なトレーニングがたくさんあります。
代表的なものとしては、「あいうべ体操」が挙げられます。「あー」「いー」「うー」「べー」と、それぞれの音に合わせて大きく口や舌を動かすことで、舌や口唇、頬の筋肉をバランス良く鍛えられます。また、風船を膨らませる遊びや、吹き戻し(ピーヒャラ笛)を吹く遊びも、口唇の筋力や呼吸機能を高めるのに役立ちます。
その他にも、舌を大きく使ったトレーニングとして、舌で唇の周りをなめる運動や、上唇の内側を舌で触る運動などがあります。これらのトレーニングは、鏡を見ながら親子で一緒に、ゲーム感覚で行うと楽しく続けられます。大切なのは、毎日少しずつでも継続することです。無理なく、お子様のペースに合わせて、まずは短時間から始めてみましょう。
正しい呼吸と舌の位置を意識づける生活習慣
お子様のお口の機能発達において、正しい呼吸と舌の位置は非常に重要です。口をぽかんと開けていることが多いお子様は、口呼吸になっている可能性があり、これが様々な問題を引き起こすことがあります。
まず、正しい呼吸は「鼻呼吸」です。鼻呼吸を促すためには、日中に意識して口を閉じ、鼻で呼吸するように声かけをしたり、鼻詰まりがある場合は耳鼻咽喉科を受診して原因を解決することが大切です。アレルギー性鼻炎などにより鼻が慢性的に詰まっていると、口呼吸が習慣化してしまうため、必要に応じて専門医と連携することも検討しましょう。
次に、舌の正しい位置です。舌は通常、安静時に上あごの天井部分にぴったりとついているのが理想的です。この位置を「スポット」と呼びます。普段から「舌は上あごにくっついているかな?」と、お子様に意識してもらうように促してみましょう。最初は難しいかもしれませんが、絵本を読み聞かせるときや、テレビを見ているときなど、リラックスした時間に優しく声をかけることから始めてみてください。正しい舌の位置を習慣づけることで、口腔内の筋肉が適切に発達し、顎の成長や歯並びにも良い影響をもたらします。
ご家庭でのセルフケアやトレーニングは、お子さんの口腔機能発達不全症の予防や改善に非常に有効ですが、それだけでは限界がある場合も少なくありません。特に、すでに症状が見られる場合や、複数のチェック項目に当てはまる場合は、専門家である歯科医師の診断と適切な指導が不可欠です。専門家のサポートを受けることで、より効果的かつ効率的に問題の改善へとつなげることができます。
「うちの子、もしかしたら口腔機能発達不全症かも?」と少しでも感じたら、一人で抱え込まずに、ぜひ専門家へ相談してみてください。早期に専門家の手助けを借りることで、お子さんの健やかな成長をサポートし、将来のリスクを軽減できる可能性が高まります。このセクションでは、歯科医院への相談をためらっているお父さん、お母さんの不安を解消し、受診への具体的なステップをご案内します。
どんな時に、どこに相談すればいい?
お子さんの口腔機能について専門家に相談すべきタイミングはいくつかあります。例えば、前述のセルフチェックリストで3つ以上の項目に当てはまる場合や、食事の時間が極端に長い、食べこぼしが頻繁、特定の発音だけがいつまでも苦手など、親御さんがお子さんの成長に対して強い不安を感じる時は、迷わず相談を検討しましょう。
相談先としては、「小児歯科」を専門とする歯科医院、または「口腔機能発達不全症の治療に力を入れている」と明示している歯科医院が理想的です。これらの医院では、子どもの発達段階に応じた専門的な知識と経験を持つ歯科医師や歯科衛生士が在籍しており、お子さんのペースに合わせた丁寧な対応が期待できます。医院のウェブサイトで、MFT(口腔筋機能療法)の実施実績や、小児科、耳鼻咽喉科、言語聴覚士など他科との連携体制について確認することも、良い相談先を見つけるためのポイントになります。
歯科医院での検査と診断の流れ
初めて歯科医院を受診される際、お子さんも親御さんも不安を感じることがあるかもしれません。しかし、口腔機能発達不全症の検査は、お子さんに大きな負担をかけるものではありませんのでご安心ください。一般的な検査と診断の流れは、まず丁寧な問診から始まります。お子さんの普段の食事の様子、呼吸の状態、話し方の特徴など、細かくお伺いします。
次に、お口の中の状態を目で確認する視診が行われます。歯並びや顎の形、舌の位置、唇の閉じ方などをチェックします。さらに、実際に食べ物を食べてもらい、咀嚼(噛むこと)や嚥下(飲み込むこと)の様子を評価する機能検査や、発音の状態を確認する検査を行うこともあります。これらの検査は、遊びを取り入れたり、お子さんの好きなキャラクターの絵を使ったりと、怖がらせないような工夫がされていることがほとんどです。写真撮影やお口の周りの簡単な器具を使った測定を行う場合もありますが、どれもお子さんの協力を得ながら無理なく進められます。
主な治療法と期間・費用の目安(保険適用について)
歯科医院で行われる口腔機能発達不全症の治療の中心となるのは、MFT(口腔筋機能療法)と呼ばれるトレーニングです。これは、お口周りの筋肉を正しく使うための練習を、歯科医師や歯科衛生士の専門家の指導のもと、ご家庭でも継続して行うものです。最初は週に1回程度の通院から始まり、お子さんの状態や上達度に合わせて、通院頻度を調整していくことが一般的です。治療期間は、お子さんの状態や年齢、ご家庭での取り組みによって異なりますが、数ヶ月から年単位で継続していくケースが多いです。
また、舌や唇の動きをサポートしたり、顎の成長を促したりするために、トレーナー装置などの簡単な矯正装置を使用する場合もあります。口腔機能発達不全症の治療は、2018年より健康保険が適用されるようになりました。これにより、診断からMFTによるトレーニング、および一部の装置についても保険診療内で受けることが可能です。ただし、使用する装置の種類や、歯列矯正を目的とした治療が含まれる場合は、自費診療となるケースもありますので、治療を開始する前に、費用の目安や保険適用の範囲について、必ず歯科医院で詳しく確認するようにしましょう。
これまでお伝えしてきたように、お子様の気になる食べ方や話し方の癖は、「口腔機能発達不全症」という医学的な問題が隠れている可能性があります。しかし、不安に感じる必要はありません。口腔機能発達不全症は、早期に気づいて適切な対策を行うことで、お子様のお口の機能を健全に発達させ、将来にわたる健康を守ることができる「治る病気」だからです。
「うちの子、もしかして?」と感じたら、まずは今回ご紹介したセルフチェックリストを使って、ご家庭でお子様の様子を詳しく観察してみてください。そして、ご家庭で取り組める食事の工夫や、親子で楽しくできるお口のトレーニングを日々の生活に取り入れてみましょう。無理なく、楽しみながら続けることが何よりも大切です。
そして、セルフチェックで当てはまる項目が多い場合や、親御様が強く不安を感じる場合は、一人で抱え込まずに、ぜひ専門家である歯科医師に相談してください。特に小児歯科や口腔機能発達不全症の治療に力を入れている歯科医院では、お子様一人ひとりに合わせた丁寧な検査と診断を通じて、最適な治療プランや具体的なトレーニング方法を提案してくれます。親御様が「育て方が悪かったのでは」とご自身を責める必要は一切ありません。社会全体でこの問題が認識され、医療としてサポート体制が整っている今、専門家と協力しながら前向きに取り組むことが、お子様の健やかな成長への一番の近道です。
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医療法人社団デンタルケアコミュニティ
西新宿院院長
高瀬 陽子 歯科医師
【経歴】
2004年 昭和大学歯学部 卒業
2004~2010年 文京区法人 勤務
2010~2011年 港区法人 勤務
2013~2022年 新宿区法人 勤務
2022年~フォレストデンタル西新宿 勤務
2024年10月 フォレストデンタル西新宿院 院長就任
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