歯科コラム

歯周病は、歯ぐきの炎症から始まり、放置すると歯を支える骨（歯槽骨）を破壊していく病気です。

怖いのは、痛みがほとんどないまま進行するという特徴。

「痛くないから放っておいたら、気づいたときには抜歯が必要だった」

…というケースも、珍しくありません。

歯を失う直接の原因の多くが、虫歯よりもこの歯周病によるものだということを、まず知っておいていただきたいのです。

初期の歯周病は、次のような症状から始まります：

• 歯ぐきが赤く腫れている

• 歯みがきのときに出血する

• 口臭が気になる

• 歯がなんとなく浮いたような感覚がある

ここで治療を受ければ、比較的軽い処置で改善できます。

しかし、放置すると…

• 歯ぐきが下がり、歯の根が露出する

• 歯がグラグラして噛みにくくなる

• 最終的に歯が抜けてしまう

という深刻な状態へ進行してしまいます。

歯周病が“歯の病気”にとどまらないとされるのは、近年の研究で全身疾患との関連が示されてきたからです。

たとえば…

• 糖尿病との関係

　歯周病があると血糖値がコントロールしにくくなることが知られています。逆に、糖尿病があると歯周病も悪化しやすくなります。

• 心筋梗塞・脳梗塞

　歯周病菌が血管内に侵入し、動脈硬化のリスクを高める可能性があると考えられています。

• 誤嚥性肺炎

　高齢者では、歯周病菌が唾液と一緒に肺へ入ることで肺炎を引き起こすケースがあります。

• 早産・低体重児出産

　妊娠中の女性が重度の歯周病を放置すると、炎症性物質の影響で早産のリスクが高まることが報告されています。

つまり、歯周病を防ぐことは、全身の健康を守ることにもつながるのです。

歯周病は、予防と早期発見が何よりも効果的です。

西新宿の当院では、以下のような予防歯科メニューを通じて歯周病からのリスクを抑えています。

• 歯ぐきの状態チェック（歯周ポケット検査）

• 歯石除去（スケーリング）

• バイオフィルムの除去（PMTC）

• 正しい歯みがき指導

• ライフスタイルに合わせたメンテナンスプランの提案

定期的にチェックとケアを続けることで、「気づいたときには重症化していた」というリスクをぐっと減らすことができます。